「統合型リゾート推進法案(カジノ法案)」が2014年秋の臨時国会で成立する可能性があります。法案成立後、カジノの候補地の選定作業に移っていくわけですが、カジノはどこにできるのでしょうか?

現在、日本経済新聞の報道によると、主な候補地として8か所、それ以外にも以下に示した自治体が、カジノ誘致に名乗りを上げています。法案成立前から、各自治体からの「カジノ誘致合戦」の様相を呈していますね。

「カジノの数は?」で解説した通り、まずは3か所程度、その後段階的に10か所程度のカジノ設置が検討されています。

現在、カジノ候補地として有力視されているのは、大阪、東京、沖縄、横浜など。以下、それぞれの立候補地の状況をダイジェストでせまってみましょう。


 

カジノ候補地リスト

 

カジノ候補地

カジノ候補地

 

 北海道

小樽市・釧路市・苫小牧市が北海道と協力して誘致活動を展開。苦戦が伝えられるも、道・3市は北海道の自然を生かした「北海道型カジノ」構想の策定を進め、巻き返しを狙っている。

★★★☆☆:苦戦伝えられるも道として前向き

東京

前都知事の石原氏が賛成派であったが、現舛添都知事は慎重であり国会での審議待ち、とのスタンス。フジテレビ・三井不動産・鹿島が共同でリゾート都市構想を国家戦略特区作業部会に提出しており、民間事業者が都知事を説得できるだけの構想を提示できるかどうかが鍵。

★★★★☆:舛添都知事は国会での判断待ち

神奈川

横浜市長が「方向としてはやっていきたい」と実現に前向き。地元商工会など、経済界との連携も進みつつあり、横浜市独自の調査も14年4月から進行中。山下ふ頭周辺での一体開発に期待がかかる。

★★★★★:横浜市長・地元経済界が実現に前向き

千葉

成田商工会議所顧問が会長を務める「IR誘致推進協議会」が成田市に調査研究を求める要望書を提出。小泉成田市長は検討開始の明言を避けている状況。

★★☆☆☆:地元経済界の活動にとどまる

大阪

大阪府・大阪市が候補地として、夢洲を軸としたベイエリアとする方針を決定。府・市で「IR立地準備会議」を設立して検討を進めており、国内外の事業者も有力地として認識。

★★★★★:府・市ともに前向き。具体地の選定進む。

長崎

長崎県・佐世保市が中心となり、2014年度中に誘致組織の立ち上げを予定。ハウステンボス周辺への誘致を想定。ハウステンボスを所有するエイチ・アイ・エス澤田会長も誘致に前向き。

★★★☆☆:自治体・経済界ともに前向き

宮崎

2013年11月に研究会立ち上げとの報道あるも、その後の状況が伝わらず。セガサミーHDを中心に、シーガイア再開発の期待は高い。

★★☆☆☆:現在の検討状況不明

沖縄

2007年から「カジノ・エンターテイメント検討委員会」などを設置し、カジノ誘致を検討してきた長い歴史あり。仲井眞沖縄県知事は改めて誘致への意欲を示す。

★★★★★:県知事が強い意欲。有力との報道多数

 


「大都市型」か?「地方型」か?

「IR実施法案に関する基本的な考え方」(2013年11月12日採択:国際観光産業振興議員連盟)の中で、カジノを含むIR(統合型観光施設)の類型として、「大都市型」と「地方型」が提案されています。

では、それぞれどのようなイメージの観光施設になるのでしょうか?簡単に整理すると、以下のようなイメージになります。

「大都市型」・・・人口集積地に近く、大きな国際空港近隣に位置する、ホテル・大規模会議室・ホール等のコンベンション施設・ビジネスセンター・アミューズメント施設等を備えた、まさに「大規模」な観光施設となるでしょう。

「地方型」・・・地方の観光資源を活用した、中長期滞在型の観光施設。既存のテーマパークや新たな観光資源の発掘等も考慮しながら、地方での消費を促進する施設となるでしょう。

「大都市型」施設は、シンガポールのマリーナ・ベイ・サンズのような施設をイメージしていると想定されます。マリーナ・ベイ・サンズは、シンガポール国際空港から車で20分程度、シンガポール中心部からも10~15分程度の好立地にあり、ホテル・ショッピングセンターなどの付随施設も充実しています。

「大都市型」と聞いて、マカオやラスベガスのようなイメージを持たれる方もいらっしゃるかもしれませんね。両都市のカジノの数は数十~200以上になっており、カジノの数を限定しようとする日本のIR法案の趣旨からは外れます。したがって、選定された都市が両都市のような「カジノ乱立都市」になる可能性は極めて小さいといえましょう。

カジノを含めて観光産業は世界との競争です。マリーナ・ベイ・サンズと同じ施設を建てても、当然ながらシンガポール以上の魅力を持つことはできません。選定された各都市が持つ資源を活用した、「ユニーク」な施設を計画する必要があります。

一方で「地方型」の施設ですが、実は私もあまりイメージできていません。米国の中でも、カジノの数が規制されているミシガン州のカジノのようなものになるんでしょうか。韓国・済州島のリゾート施設が近いかもしれませんね。いずれにせよ、「大都市型」のカジノのような大量集客で事業が成立するのではなく、長期滞在でその地方を周遊してお金を地域に落としてもらえるような、そんな施設になることを願いたいです。その意味でも、過剰投資にならないように、カジノの規模(スロットやテーブルの台数)に制限がつくかもしれませんね。

で、分類は?

まずは3か所の施設が検討されているので、「大都市型・・・2か所、地方型・・・1か所」もしくは「大都市型・・・1か所、地方型・・・2か所」と配分されることが有力です。

その場合、上記の候補地がどのように分類されるかというと・・・

大都市型・・・東京・神奈川・大阪・(千葉)
地方型・・・北海道・長崎・宮崎・沖縄

千葉(成田市周辺)がどのように分類されるかが微妙なところですが、おそらく大都市型カジノに分類されると想定しています。韓国・仁川のカジノ施設のようなイメージですね。そのためには、現在極めて乏しいと言わざるを得ない、成田市周辺の観光資源の発掘・開発が必要になるでしょう。


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