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ラスベガスで有名な米国のカジノ。でもラスベガスって、日本からは実は少し行きづらいですよね。ロサンゼルス経由で行くのも手間だし、もっと手軽に、観光ついでにカジノにいける場所はないのだろうか?

アメリカの全50州のうち、商業カジノの運営が許可されているのは半分弱の23州あります。日本人観光客の多いハワイ州ではカジノを含むギャンブルはすべて禁止。カジノで遊ぶためには、アメリカ本土を訪問するしかありません。

表 商業カジノ認可州

 

 

米国カジノの種類

アメリカのカジノは、大きく2種類に分けられます。「商業カジノ(コマーシャル・カジノ)」と「インディアンカジノ」です。

商業カジノとは、日本でも設立が議論されているような民間企業が州政府管理のもとで運営されるカジノを指します。一般的な「カジノ」ですね。対して「インディアンカジノ」とは、アメリカインディアン部族が運営するカジノのことです。

インディアンカジノは、フロリダ州ハリウッドで、インディアン部族のひとつであるセミノール族が部族の生き残りをかけた収入増加策としてビンゴ場を開設したことに始まりました。その後、幾度の法廷闘争を経て、28の州で運営されるようになりました。

商業カジノの歴史

アメリカのカジノの歴史は、1930年代にネバダ州がギャンブルを合法化した時からはじまりました。ラスベガスがカジノのまちとして発展。その後、1970年代にニュージャージー州がアトランティックシティに限定してカジノを認可するまで、約40年の歳月を必要とします。この間、犯罪組織の関与や組織間の抗争など、カジノをめぐる闘争は続きました。

1959年にジノのライセンスを管理するゲーミング・コミッションとゲーミング管理委員会が設置されたことで犯罪組織の関与が減少、1990年代前後から、カジノを認可する州が増加しはじめます。ラスベガスは80年以上の「カジノ史」を有しますが、ラスベガス以外のアメリカカジノの歴史は、まだ20年前後なんですね。

表:アメリカの州別カジノ合法化時期

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出所:American Gaming Association資料より作成

 

 

1990年代以降は、カジノ成功の動きに便乗しようと、多くの州でカジノが合法化されてきました。大都市の富裕層を当てにした北東部州の「都市型」カジノ、ほかにこれといった観光資源がなく、カジノを税収の柱にしようと考えた中部州の「地方型」カジノに大きく分けることができるのが印象的です。

表:アメリカの州別カジノ数と合法化時期

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出所:American Gaming Association資料より作成

 

苦境に陥る米国カジノ業界

一方で、米国のカジノは、アジア諸国のように中央政府がカジノの総量を規制していないため、現在900以上のカジノが各地に乱立する状態になっています。

米国では2000年以降、カジノ施設が急増し、過当競争が顕著となりました。「EBITDA(利子、税金、償却費を控除する前の利益。事業のキャッシュフローの指標)/施設構築投資額」をみると、2000年前に開業した施設群は、ラスベガスでは約15%、リージョナル(地域)では約30%、と高水準でしたが、2000年以降に開業した施設群は、ラスベガスでは約2%、リージョナルでは約12%まで低下しました。

なぜ米カジノ大手はアジア進出に熱心なのか 過当競争に陥るアメリカのカジノ

カジノの総量を適正数にコントロールすることは、業界の健全な発展のために必要なことのように思えます。その点、日本におけるカジノ開設の議論が、「当初3か所、その後段階的に10か所程度」と指針を示していることは、評価できます。
実際、アメリカの各カジノの売上高は、州ごとにかなりの差があります。ラスベガスを擁するネバダ州は、カジノ全体の売上高は多いですが、カジノの数も他州に比べてとびぬけて多いため、一カジノあたりの売上高は全米で最も低くなっています。少数の大規模なカジノのと、多数の小規模カジノが混在している状況がうかがえますね。

表:アメリカの州別カジノ売上高

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出所:American Gaming Association資料より作成

 

一方で、カジノあたりの売上高が最も高いのは、デトロイトがあるミシガン州。この州では、デトロイト市によってカジノの数、場所、事業者が管理されています。

①予め施行場所、施行数を限定する市場管理施策:
予め限られた地点(デトロイト都市部)、限られた施行数(市内3ヶ所)での施行を前提として州法が構成されている。この意味では制度としては制限的で、その内容は簡素化されている。カジノ・ライセンスを取得できるのは3事業者のみと法定され、事業の枠組みを州政府が構築し、平行的にデトロイト市が別途公募により事業者を選定し、その後選定事業者がライセンス申請をし、審査を経て、ライセンスを取得するという手順をとった。以後、定期的にライセンス許諾の更新が必要とされ、参入要件やライセンスの資格を保持する要件は厳格に設定されている。

171. ミシガン州・制度の仕組み ① 経緯(IR*ゲーミング学会)

ミシガン州の事例からも、カジノの適正管理がいかに重要かを理解できると思います。

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大阪府・大阪市は、IRの候補地として、夢洲を軸としたベイエリアとする方針を決定しました。また、府・市の「IR立地準備会議」では、橋下大阪市長が夢洲地区へ乗り入れる鉄道インフラの整備を検討するように担当部局に指示したことをも明らかにされ、大阪にカジノを含むIR建設の機運が高まっています。

 

「IR誘致は国際都市間競争に勝っていくための象徴的な事業。国から与えられるのではなく勝ち取っていきたい」

-大阪市・橋下徹市長 (14/4/22 産経ニュース

「(府を訪問するのは)全部経営のトップだ。本気度というものを感じている」

-大阪府・松井一郎知事 メルコ・クラウン・エンターテインメントやゲンティン・グループ、米ラスベガス・サンズといった海外カジノ事業者の来訪が相次いでいることをうけて(14/05/28 Reuters

「(いずれの事業者も投資額として)5000億円以上の数字をよく言われる」
「投資額は大きければ大きいほどいい」

-大阪府・松井一郎知事(14/04/14 Reuters

「大阪らしいIRを考えないといけない」

-関西経済同友会 斉藤行巨・常任幹事事務局長(14/05/28 Reuters

ただ、一時期は大阪でカジノ運営に名乗りを上げると言われていたUSJ、夏前から大阪市との関係悪化をにおわせる発言が相次いでいます。
有力な候補地である夢洲に隣接した場所でUSJを運営している同社、一体開発ができれば相乗効果があると考えてはいるでしょうが、IRは別の事業者が運営し、お互い競合させたほうがエリアの魅力が高まるという考え方もあり。今後の議論でどう転ぶでしょうか。

「USJがIR参入を計画していると報じられた直後の7月初旬、橋下徹市長はUSJ経営者と信頼関係がない、他の業者にやってもらいたいなどと発言している」

-大阪市観光課長・足立幸彦氏 (14/08/12 Bloomberg

「市とは協力関係にあり、今後も協力していく」「大阪で機会があったら是非参入したい」「われわれは必ずしも特定の1カ所に縛られた企業ではない」

-ユー・エス・ジェイ グレン・ガンペル社長 (14/08/12 Bloomberg

2014年9月9日、成田商工会議所顧問が会長を務める「IR誘致推進協議会」が成田市に調査研究を求める要望書を提出しました。小泉成田市長は検討開始の明言を避けている状況です。成田商工会議所はここ数年、幾度にわたって要望書を提出しています。羽田空港の国際線枠拡大に伴い、成田空港の地盤沈下が騒がれておりますところ、その危機感が行動の起点になっているように見受けられます。

 

(参考)カジノ:誘致へ、積極参加を要望 成田市に推進協 /千葉

http://mainichi.jp/area/chiba/news/20140911ddlk12020049000c.html

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神奈川県内では、林横浜市長が誘致に前向きな発言をしています。東京都がトーンダウンを見せる中、関東で有力な候補地として取りざたされるようになってきました。

「まだ法案が通っていませんが、横浜の将来を考えたら、やはりやっていくべきものだろうと思っています」
「例えば、今、ウォーターフロントの開発を行おうとしています。山下ふ頭も課題になっていますが、中心から少し離れている海際に、一体的に作っていく。カジノに必要な面積というのは、ほんの3%か5%で、大事なのは、カジノが目的ではなくて、そこに皆様が、ホテルであったり、レストランであったり、劇場であったり、または、いわゆるボールパークみたいなもの、これは決まっていませんが、そういったものが一体的にそこで楽しめるというものの中にカジノが出来てくるという一体開発です。」

-横浜市・林文子市長 市長定例記者会見(14/7/30)

「「IR誘致や全天候型ドームの実現を目的とした、経済界を中心に行政なども加わる協議会の発足」を提言」

-横浜青年会議所 (14/07/29 神奈川新聞

横浜市では、民間企業の連合でつくる「横浜ドームを実現する会」が、全天候型ドーム、カジノを含めた複合施設の建設を提言しています。ただ、横浜スタジアムの移転には解決すべき課題が多くありますので、もし一体的に開発が計画されるのであれば、他の候補地よりも建設に時間がかかることになりそうです。
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出所:横浜ドームを実現する会(http://www.yokohama-dome.com/)

 

 

 

 

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出所:横浜ドームを実現する会(http://www.yokohama-dome.com/)

 

 

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アジア太平洋地域においては、マカオ以外にはオーストラリアや韓国が主要なカジノ市場国でした。ところが2010年にシンガポールがカジノを合法化し、「マリーナ・ベイ・サンズ」「リゾート・ワールド・セントーサ」の2つのカジノを含む統合リゾート施設が開業。一施設の規模としては、アジアの主要カジノとなりつつあります。

アジア・太平洋のカジノ市場規模(2014年予測:百万USドル)
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Source: “Global Gaming Outlook 2011” (PricewaterhouseCoopers)

 

マカオのカジノ市場規模は、570億米ドル。マカオには、カジノが約35軒ほど存在しています。次いでシンガポールが大きく、約65億米ドルです。シンガポールは Read More →